2014年06月10日

関税

よく思うことだけれど、日本の経済政策は中級ミクロ経済学の格好の学習材料になる。

コメを例に挙げよう。小学校か中学校の社会科(いまはどういう科目名になっているか知らないが)の教科書的には、食生活の欧米化が進んだことでコメが余るようになり、減反政策が取られたことになっている。この説明だと、経済的な要因は何もないことになる。本当だろうか?

実際のところは、食糧管理制度のもとコメの輸出入が禁止され、生産者価格が高値に維持されていた。コメ農家にしてみたら、コメを作れば作っただけ政府が高値で買ってくれるのだから、生産が増えるのは当然だ。一方消費者にしてみたら、コメが高いわけだから代わりにパンを食べるようになる。「食生活の欧米化」は原因ではなく結果なのだ。

で、1993年の冷夏でたまたま生産が減り、コメの輸入が解禁された。(今でも覚えているのだが、家でタイ米を使ったチャーハンが食べられるようになり、勝手に喜んでいた。)食糧管理法も廃止され、現在では国内ではコメの流通は自由になっている。しかし残念なことに消費者は未だに高いコメを買わされている。その理由は、関税が高いからだ。税関のデータによると、2014年現在のコメの関税率は1キロ402円。多分、国内のコメの値段は10キロ3000円から4000円ぐらいだと思うので、この関税率では輸入業者は外国からタダでコメを輸入したとしても国内のコメには太刀打ちできない。外国との競争がないから、国内のコメ農家はあぐらをかいて高いコメを売っているわけだ。

私の近所のアジア系スーパーでは、「錦」や「国宝」などのカリフォルニア産のジャポニカ米が10キロ10ドルぐらいで買える。味に不満は全くない。日本政府もいい加減「消費者保護」を名目とした国内産業保護はやめて、貿易を自由化したらどうか。おそらく競争のおかげでコメ価格がすぐ半分ぐらいになって、大抵の国民は喜びそうなものだが。
posted by Alexis at 09:38 | Comment(0) | 経済関連の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月31日

ローンの繰り上げ返済

住宅ローンを繰り上げ返済しようか悩んでいる。その背景には、ここ5年で株価が3倍近くに上がり、アメリカ株のPERも18ぐらいでやや割高なので、株を一部売って住宅ローンの返済に充てたほうが有利なのではないかという考えがある。

そもそも、去年サンディエゴで自宅を購入した際、必要以上のローンを組んだ。学生時代に運用した株がある程度あったので、それを売ればもっと少ない額のローンで済んだ。が、15年固定3.5%の金利で借りることができたので(日本と比較すると高く見えるが、アメリカでは歴史的な低金利)、そんな低金利ならば株で運用した方がマシだということになり、月収から許される限界(ローン返済額は、月収の45%までという業界の慣習がある)まで借りることにした。持ち株はそのままにして、それに加えて確定拠出年金の403b, 457b, Roth IRAにも限界まで投資した。

月収の45%がローン返済(固定資産税を含む)、30%が確定拠出年金、10%が子供の教育費で、食費や所得税・保険料を含めるとキャッシュ・フローは赤字であり、現金が尽きては株を一部売って補填するということしていた。(念のため書いておくと、キャッシュ・フローが赤字になるのは普通はかなりまずいが、これは下の子が1年後に幼稚園を卒業すれば教育費がかなり下がることと、自分の給料が上がっていくこと(州立大学なので、かなり予測可能)、今後5年は解雇されないことなどを想定した上でのことで、長期的にはキャッシュ・ フローは黒字になると判断した。)結果的には、株価が1年で15%ぐらい上がったおかげでトータルとしてはかなりのプラスであった。夏休みの間は日本に滞在しており、その間自宅を賃貸に出し、夫婦でアルバイトしているので、キャッシュ・フローはかなり改善された。そのこともあってローンの繰り上げ返済が頭に浮かんできたのである。

繰り上げ返済の話に戻ると、借入金利3.5%で自分の所得税率と住宅ローン控除(アメリカにもある)を考慮すると、実行金利は2.4%と出た(bankrate.comで調べた)。今のインフレ率が2.1%だから、実質金利は2.4-2.1=0.3%ということになる。このように殆どタダでお金を借りているようなものだということと、キャッシュ・フローが赤字であることから、当面は繰り上げ返済せずに貯蓄に励むことにした。運用対象を株にするか、債券にするかはまだ決めていないけれども。




posted by Alexis at 14:48 | 経済関連の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月01日

バビロンの大富豪

投資や節約について調べていたときにThe Richest Man in Babylonという古典的名著があると知ったので、早速読んでみた。バビロンの大富豪―「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか -
バビロンの大富豪―「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか -

史実に基づいているかどうかは確認していないけれども、設定としては古代バビロンで発掘された楔形文字の粘土板に、自分がどうやって金持ちになったかの秘訣を書いてあるものがあったという。で、その寓話の紹介や、発掘したイギリスの考古学者が自分で実践したら金回りがよくなったよ、という話。

本書によると金持ちになる秘訣は5つあって(括弧内は私の解釈)、
  1. お金は自分と自分の家族のために収入の1割以上をとっておく人に加速度的にやってくる。(倹約して貯蓄しなさいということ。種銭がないと増えないでしょう?)
  2. お金は賢く投資する主人のために勤勉にかつ満足気に働いてくれる。(貯金するだけでなく複利で運用しなさいということ。)
  3. お金は賢者の助言のもと慎重に運用する主人の庇護のもとからはくっついて離れない。(無謀な投資はだめよ、インデックス投資しなさいということ。)
  4. 不慣れなビジネスや目的に投資するとお金は離れていく。(上記3と同じ。)
  5. 高望みしたり、詐欺師の忠告に従ったり、目先の欲望に囚われると、お金は逃げて行く。(ギャンブルをしたり、銀行・保険会社・証券会社・不動産会社などから宣伝されるままに買ってはだめ。)
とまあ常識的なことが書いてある。この本の面白いところは、やはりアドバイスを寓話の形にしている点か。

ところで私はAmazon.comでこの本を見て、Kindle版(英語)が2.99ドルだったから安いと思って買ったのだが、この記事を書くためにググったら実はPDF版が無料で読めた!節約を趣味とするからには、よく調べずに勇んで買ったのはあってはならぬ失敗であった。
posted by Alexis at 17:44 | 経済関連の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする