2012年07月19日

ブログを始めました

ブログを始めました。専門の経済について、できるだけわかりやすく、面白く、ためになることを書いていこうと思います。初回は日本とアメリカ(私はアメリカ在住なので)の価格の違いについてです。

衣食住をはじめ、大抵のモノは日本よりアメリカの方が安いのですが(例えばアメリカでの価格を1とすると日本での価格は米が2倍、牛乳が2倍、肉は5倍から10倍、家電製品は2倍、住宅は2倍といったところでしょうか。鮮魚も種類は少ないですが驚くほど安く買えます)、例外的に日本の方が安いモノがあります。自動車保険と中古車です。

アメリカで自動車保険が高いのは、通勤に車を使うことが多く走行距離が長いため事故の確率が高くなるからでしょう。

日本で中古車の安い理由は恐らく車検制度のためでしょう。アメリカには車検制度はなく、2年に1回20ドルを払ってemission testというものに合格すればいいだけなので、中古車の維持コストは高くありません。日本の中古車が極端に安いため、ロシアに輸出され、サハリンの車は9割がた日本製です。右ハンドルのまま右側通行をしています。
posted by Alexis at 17:10 | Comment(0) | 経済関連の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月21日

インデックス投資をする理由

勉強でも運動でも、大抵の分野は努力しないと成果が出ない。ところが何の努力をしなくても確実に「平均点」が取れる分野がある。資産運用だ。

株価指数に連動するインデックスを買っておけば平均点が取れる。理由は次の通り。
  1. 全ての株は誰かに保有されている。
  2. 株価指数は全ての株の平均である。
  3. 従って株価指数は全ての人のポートフォリオの平均である。
もちろんここでいう「平均」は株式時価総額(上記2)や運用資産(上記3)での加重平均のことで、資本は国内外を問わず移動するから、「全て」は「世界中の」と解釈しなければならない。面白いことに、インデックス投資(正確には、インデックスと無リスク債券を適当な比率で組み合わせたもの)が「平均点」を保証するだけでなく、(ある仮定の下で)理論的に最適であるということも分かる。それは1950年代から70年代にかけて流行ったCAPM (capital asset pricing model)という理論なのだが、省略。(例えばMertonの1971年の論文参照。)
 
「平均点」はどれぐらいかというと、過去200年ぐらいの世界中を見回すと、株の実質利回り(配当含む)は年間8%ぐらいで、債券よりずっといい。(但し標準偏差が20%ぐらいあるが。)
 
インデックス投資は理論的に優れているだけでなく、次の利点も持っている。
  1. 「平均点」が保証されているので、心の平安が得られる。
  2. 買って放ったらかしにしておけばよいので、投資について悩む時間が最小で済む。
  3. 売買が少ないので手数料や税金があまりかからない。
  4. そもそもインデックスファンドは信託報酬が安い。
さて、前にも書いたとおり資本は国内外を問わず移動するから、真のインデックスは世界中の株の平均ということになる。非上場企業も沢山あるので文字通り世界中の株を買うことは不可能なのだが、近似することは可能だ。例えばVanguard社のETF(上場投資信託)であるVTI(アメリカのインデックス、信託報酬0.05%)とVEU(アメリカ以外のインデックス、信託報酬0.18%)を買えばよい。最近は日本の証券会社でも米国株取引ができるようになったので、探せば取り扱っている業者もあるかもしれない。あと、別に推奨するわけではないが、アメリカで証券口座を開くという手もある(完全に合法的)。Firstrade証券などは郵送で申し込める。
 
アメリカのETFのメリットはとにかく手数料が安いことだ。日本とは1桁ほど違う。ちなみにVanguard社は1976年に初めてインデックスファンド(S&P500)を作った会社で、手数料の安さでは右に出るものはない。
 
かく言う私も資産は自宅を除いて殆ど全てインデックス運用している。
posted by Alexis at 20:26 | Comment(0) | 経済関連の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月22日

日本で最も資本主義的な産業

日本では経済活動に政府が介入することが非常に多い。例えば借金の上限金利、労働者の解雇規制、国営の年金制度、関税、価格統制された医療サービスなど、枚挙に暇がない。このように日本はかなり「社会主義的」なのだが、ではこの国で最も資本主義的な産業は何であろうか?

すぐに思いつくのは、FX(外国為替証拠金取引)。日本ではいつ、どこで、誰が外国為替を取引するのも自由だから、FXには常に新規参入や退出があり、取り扱い商品も外国為替そのもので差別化できないから、熾烈な価格競争に陥らざるをえない。従って、FX業界は完全競争市場にかなり近い。もっとも、政府が為替介入をしたり、レバレッジ規制を導入したりするので、完全な自由市場ではない。

次に思いつくのは、外食産業。調理師免許などの許認可があるとはいえ、消費者は好きな店で食べられるし、食べログなどの検索サイトを利用すれば店舗情報は事前にかなりの程度分かるので、自由市場に近い。

しかし何といっても最も資本主義に近いのは受験産業だろう。塾講師になるのに何の資格もいらない(採用時に学歴を参考にするかもしれないが、それ以降は塾生からの人気と合格実績だけが評価基準だろう)から参入規制はなく、文部科学省の指導要領とは無関係に好き勝手なことを教えてよく、学生はどこの塾のどの講師の授業を受けるのも自由だ。(もちろん、クラスの選抜試験に合格しないといけないので文字通りどの授業でも受けられるというわけではないが、試験を受ける機会は誰にでも平等に与えられている。)塾の合格実績も簡単に調べることができるので、情報の非対称性はほとんどない。塾が文部科学省から敵視されることはありこそすれ、補助金をもらったり公共事業を受注したり天下りを受け入れたりといったことは考えられない。

日本の外食や中等教育が世界に誇れる高水準であるのは、資本主義の賜物である。
posted by Alexis at 11:07 | Comment(0) | 経済関連の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする