2016年02月03日

コンビーフ

コンビーフと私の関わりは25年ほど前に遡る。家族がお中元だかお歳暮だかでもらった缶詰のセットに、コンビーフが入っていた。それを食べるに際し て、父が「コンビーフは牛肉を牛脂で固めていて体に悪いから」とか言って、まず熱湯で具を茹でて脂肪を溶かしてから、肉の部分だけを濾過して食べた記憶がある。味は覚えていない。

さて、妻の料理の本に「コンビーフのパスタ」なるものが載っているのが以前から非常に気になっていた。一般に好奇心旺盛な私はそれを作ろうと言ったのだが、彼女は昔一度だけ食べたコンビーフの不味さが脳裏に焼きついており、同意が取れず、作るなら一人のときに作ってくれという有様であった。

昨日買い物に行ったときに、偶然缶詰の棚の前を通過した。否応なく「コンビーフ(ブラジル産)」が目に飛び込んできた。もともと夕食にパスタを作る予定だったので、清水の舞台から飛び降りる気分でこれに決めた。

ソースは至って単純明快で、みじん切りにしたにんにくとたまねぎを透き通るまで炒めた後、コンビーフを投入して更に炒めるだけである。味の方はというと…

現世のものとは思えぬ不味さであった。

不味いとは言っても、所詮は牛肉の缶詰である。鮪の缶詰であるツナ缶や、パンに塗るレバーペーストは食えるのだから、慣れの問題だろうとは思ったがやはり不味かった。量が多い故、4食分もある。今日は、味を薄めるためにナツメグで味付けしてみた。更に、後味を消すために蜜柑を食べた。それでもまだ2食分残っている。

日本の小学校の家庭科でコンビーフとジャガイモを料理した、という話を聞いたことがあるが、純真な小学生に「牛肉=コンビーフ」と信じ込ませかねないことで、教育上問題があるのではないか、と思ってしまう。しかし、このメニューは家計への配慮の賜物だろう。小学校の調理実習では、確か材料は各自持ち寄るという形だったはずなので、(本物の)牛肉にしてしまうと、貧しい家庭は買えない可能性があるからだ。
しかしながら、ジャガイモとの相性は確かに良さそうだ。カナダ料理の一つに、パイ生地の中にマッシュポテトと牛ひき肉(たまに鹿の肉)と玉葱を詰めてオーブンで焼くというものがあるが、味的にはそのイメージではなかろうか?

しかし、今回のこのトラウマからはそう簡単に抜け切れないだろうと思われ、しばらくは未開拓のままとなるだろう。

posted by Alexis at 15:20 | 小話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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