2014年11月11日

タクシーの代金

2008年のことになるが、タクシー代金を一斉に値上げしたのを覚えているだろうか?2014年に増税した際も、全国のタクシー運賃を10円単位で引き上げる方針を国土交通省が固めたのは記憶に新しい。東京ではタクシー代を値上げしたにも関わらず1台当たりの売り上げが減少したという記事があった、と記憶している。

この記事を見ても、何ら不思議に思うことはない。何故なら、これはタクシーが生活必需品ではないことを示しているに過ぎないからだ。

経済学では、弾力性という概念がしばしば登場する。ある変数Xが1%変化したときに、別の変数Yが何%変化するかをYのXに対する弾力性という。 数学的には、log Yをlog Xで微分することによって得られる。特に、ある財の価格が1%上がったときに需要が何%下がるかを財の価格弾力性という。

ある財の価格を$p$, 需要を$x$, 価格弾力性を$e$としよう。定義から、$e=-\frac{p}{x}\frac{dx}{dp}$である。従って、売り上げを価格で微分したものは、
$$\frac{d}{dp}(px)=x+p\frac{dx}{dp}=x(1-e)$$
となり、価格弾力性$e$が1よりも大きければ価格が上がると売り上げが減り、1よりも小さければ価格が上がると売り上げが増えることが分かる。 弾力性が大きいということは、代替的な消費手段が存在するために、需要が価格に敏感に反応することに起因している。従って、弾力性の高低は生活必需品か否かの判断の目安になる。

さて東京の場合、タクシー以外にも公共の交通機関は電車やバス、自転車など幾らでもある。従って、タクシー代を値上げすれば売り上げが減ることは初めから予想できたはずだが、今回はそれが正しかったことが証明された。これらの決定は経済学に関して無知で愚かだったと言わざるを得ない。売り上げを伸ばしたいなら、値上げではなく値下げするべきだった。
posted by Alexis at 05:52 | 経済関連の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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