2015年11月20日

SLBS

新しい金融商品を思いついた。名づけて学生ローン担保証券、英語ならStudent Loan-Backed Security (SLBS)である。

この金融商品の仕組みはこうだ:まず、銀行が学生(大学生と大学院生を想定)に学費を無担保で融資する。金利は、言うまでもなく債務不履行のリスクで決まる。例えば、医学部なら医師になれば生涯賃金がある程度高くリスクが少ないと思われるため金利が低いだろうし、芸術系の学部ならば一山当てるのはごく一部の者であるため金利は高いだろう。また、学部のみならず出身大学によっても(例えば卒業生の平均収入に基づくなどして)金利が異なるはずだ。

次に、このような学生ローン債権を集め、小口の証券にして投資家に販売する。これを学生ローン担保証券(SLBS)と呼ぼう。SLBSはプライム (優秀な学生のこと)やサブプライム(愚劣な学生のこと)の割合に応じて格付けされ、市場で取引されるだろう。サブプライムの方がハイリターン(高金利) だが、ハイリスク(債務不履行の可能性が高い)である。

学生ローンは無担保で収入のない学生への貸付だからリスクが高いが、殆どの学生は卒業してそれなりの収入を得るのだから、学生ローン債権を集めて小口化したSLBSはリスクが少ないことがミソだ。

SLBSの最大のメリットは、高等教育の機会の均等に繋がることにある。従来も、国立大学の学費は私立大学のそれに比べて著しく安いなど、低所得者(の子供)だからと言って高等教育の機会が皆無とは言えなかったが、高所得者(の子供)よりも機会が少ないのは真実だろう。SLBSが普及すれば、学生 は入学した大学と学部に応じた金利で学費を借りられ、就職してから返済すればよく、万一退学になったり死亡するなりして返済できなくなったら自己破産すればよいから、少ないリスクで学資を確保できる。最も恩恵を受ける学部は医学部だと思う。医学部は教育に多額の費用を要するので私立大学の医学部の学費は極 めて高く、実質的に富裕層の子供にしか門戸が開かれていないが、SLBSによって状況は改善するだろう。

メリットは国にもある。国立大学に対する補助金は学費を低く抑えるという福祉政策の面があるが、SLBSが普及すれば学費を低く抑える必要はなく なるから、国立大学を民営化して補助金を打ち切ることができる。(勿論、国家にとって真に必要な研究を奨励するための補助金は残るだろうが。)こうして、 国家財政は健全化する。

SLBSは保険のようなものなので、(大数の法則が成り立つような)一定以上の規模で始めないと機能しない。そこで、当初は国が学生ローンを提供してSLBSを投資家に販売し、いずれ民営化するか事業を売却するかがよいと思う。
posted by Alexis at 04:25 | 経済関連の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
ブログパーツ