2015年10月23日

ゴルゴ13の試射 解答

前回ブログに書いたゴルゴ13の試射の問題を、友人が解いてくれた。以下は彼による解答である。
結論は,試射は合理的ではないということになると思います.

寧ろ,製造元の不発弾生成確率pを推定した上で,試射によって「不発弾が一定数出たのを確認してから」狙撃を行うべきかと思いますが,実際問題としてはpは非常に小さいはずなので,効率は悪いのではないかと思われます.

一応,元の問題に解答します.確率変数X_iを
X_i = 0 (i番目に選んだ銃弾が不発である場合)
X_i = 1 (i番目に選んだ銃弾が不発でない場合)
と定めるとき,仮定は,iに依らずに
P(X_i = 0) = p
となることと解釈して解答します.

N = 100, n = 80とおく.

(1)
P(X_1 =・・・= X_{n+1} = 1) = (1-p)^{n+1}
P(X_1 =・・・= X_{n} = 1) = (1-p)^{n}
∴ P(X_{n+1} = 1 | X_1 =・・・= X_{n} = 1) = (1-p).

(2) (1)の確率はnに依らないので,試射に意味はなく,よって,合理的でない.

尚,より現実的に,N個中m個が不発(n+1 ≦ N-m)であるとすると,(1)の条件付確率は
(N-m-n)/(N-n) = 1 - m/(N-n)
となり,大体 m = Np と思うと
1 - (N/(N-n))p
となり(N → ∞で上記結果と一致),Nが有限だと成功確率がますます下がってしまい好ましくないことが分かります(直観的に明らかですが). 
以上。
解答頂いた通り、80発試射してうまく撃てたという条件の下での狙撃に成功する確率は1-pであり,試射してもしなくても同じである.よって試射することには合理性がない.

但し,合理性がないのは不発弾の混入率pが予め知られている場合である.実際にはこのようなパラメータを事前に知っていることは疑わしく,推定しなければならない.独立な二項分布という仮定の下で,「80発の試射に成功する」という事象以上に極端な事象が実現する確率は「80発の試射に成功する」 確率そのもので,(1-p)^80である.pの95%信頼区間を求めるには,これが0.05以上であればよいから,(1-p)^80 ≧ 0.05という不等式を解いて,p ≦ 0.0367542. 作品の中では(試射することで)「確率はコンマ以下」(1%以下の意味と解釈)とあるが,有意水準を5%に設定する限りこれは誤りである.もしゴルゴ13 が有意水準5%で不発弾混入率を1%以下に抑えたいならば,計算すれば分かるが299発試射して成功しなければならない.
posted by Alexis at 15:01 | 小話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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